概要
〈協会の設立と事業〉
東京ビルヂング協会は、世界恐慌の真っ只中の昭和5年2月、日本経済も極度の不況に見舞われ、それまで需給バランスのとれていた賃貸オフィスのいたるところで空室が目立つようになった時期に、その厳しい状況に対処するため、東京の大手ビル事業者14社によって発足した「ビルヂング茶話会」に端を発しています。創立当初のメンバーは、三菱地所、大阪建物(現ダイビル)、郵船(現郵船不動産)、日本石油(現JX不動産)、東京海上(現東京海上日動火災保険)、第一生命(現第一ビル)、帝国生命(現朝日生命保険)などでした。
その後、加入会員も次第に増加し、昭和14年8月30日の設立総会で名称を「東京ビルヂング協会」に変更。戦後の飛躍的な経済復興と歩調を合わせ、ビル事業も隆盛の一途をたどり、昭和44年12月1日、民法第34条に基づく東京都知事の許可を得て「社団法人東京ビルヂング協会」となり、公益法人改革に伴って、平成24年3月1日「一般社団法人」へ移行し、今日に至っています。
当協会では、ビル経営管理等に関する総合的な調査研究および普及啓発、会員相互の情報交流等の諸活動を行い、東京における都市の健全な発展に寄与していきます。
●ビルの経営、建設、管理および需給動向などに関する調査と研究
●ビルの安全性、快適性等の向上、都市空間の利用に関する調査研究
●ビルの経営管理等に関する指針等の策定、ならびに提言や意見具申
●諸外国における事例・情報の収集、国際交流のための活動
●講習会、研修会および講演会の開催
●広報誌および図書刊行
●関係団体の行う諸事業に対する協力
●その他本会の目的を達成するために必要な事業
〈主な事業活動〉
○政策提言・要望活動
都市問題や土地問題、その他ビル経営に係る諸問題の適切な解決を図るため、協会活動の研究成果を踏まえ、土地政策、建築行政、税制改正などについての意見・要望をとりまとめ、国会、政府、関係省庁及び東京都その他の地方自治体に対し、適時要望書の提出、陳情を行っています。
要望活動の展開にあたっては、(社)日本ビルヂング協会連合会の中核的協会としての立場から業界の意見が反映されるよう積極的に行動しています。
○広報活動
・機関誌やHPによる情報発信
当協会の機関誌として「BUILDING TOKTO」を隔月(奇数月)で発行、配布しています。なお、偶数月には日本ビルヂング協会連合会の機関誌「びるぢんぐ」を発行しています。
○会員の親睦・情報交換活動
・ビルキョウサロンを通じた会員相互の情報交換
ビルキョウサロンは、会員、賛助会員及びその関係者であれば誰でも何人でも自由に参加することができるオープンな情報交換の場。冒頭の30分間は日常のビル経営に役立るミニ講演が組まれ、終了後、講師を囲んでの懇親会となります。
・年2回開催の懇親ゴルフ会
会員間の交流・親睦と情報交換を目的に、2001年11月から開催された。春と秋の年2回、東京の東と西のゴルフコースで交互に開催され、毎回30人前後が参加しています。
○会員サービス活動
・地球温暖化対策、環境対策への取組み
地球温暖化対策研究会(現・地球環境委員会)の検討成果をもとに、連合会が「ビルエネルギー運用管理ガイドライン」(08年6月)を策定しました。主にビルオーナーが実施する個別のCO2削減対策・省エネ対策として、ソフト・ハード両面にわたる「100対策」を取り上げ、実際にビルオーナーが実施する際の判断材料となるよう、具体的な事例を挙げて紹介しています。また同研究会が「オフィスビル分野における低炭素社会実行計画」(10年8月)を策定。連合会において承認され、刊行しました。
・エネルギー管理サービスの提供
会員企業が所有・管理するビルのエネルギー使用状況についての情報共有を目的に、賛助会員であるパナソニック電工の協力を得て、2011年6月から「エネルギー管理サービス(ECO-SAS)」の提供を開始しました。所有・管理するビルのエネルギー使用量について、電気・ガス会社などから届く伝票に記載されている値を入力することにより、ビル別の年間エネルギー使用量やCO2排出量を簡単に管理することができます。
・東京協会会員マークの付与
歴史と伝統のある東京ビルヂング協会の会員であることを示す「協会会員マーク」を付与。自社パンフレットや営業ツール等への「協会会員マーク」の表示・掲載をはじめ、ビルエントランスや受付、応接室などでの協会会員マーク入りプレートの掲示を推進し、非会員ビルトの差別化を図り、テナントに信頼感と安心感をもたらしています。
・中小ビル特有の問題への取組み
当協会には多数の中小ビルオーナーの会員が入会しています。ビル経営上で生じる諸問題には中小ビル特有の問題があり、大手企業主導では解決できない事柄も多々あります。そうした中で、中小ビル経営者をメンバーとする「中小ビル経営者研究会」が02年3月に発足しました。年間7〜8回という活発な議論を展開し、「中小ビルの経営者ができる地球温暖化対策」(08年)やその続編「続・中小ビル———2010年版」、会員の温暖化対策をサポートする「昨日のCO2排出量掲示プレート」、ポスターやリーフレットといった成果物を発表している。
○調査・研究活動
・ビル実態調査
当協会では、健全かつ効率的なビル経営管理に資する基礎資料を得ること目的として、昭和40年から毎年、会員ビルの全国 最大規模で行う、建築概要、設備状況、営業状況・体制、管理体制等について尋ねた、ビルに関する総合的なアンケート調査を実施しています。その集計結果をもとに、報告書「ビル実態調査まとめ(全国版・東京版)」を作成しています。
○国際協力活動
BOMAインターナショナル、世界不動産連盟等の海外の友好団体との交流を図り、国際的な活動を推進しています。毎年6月に開催されるBOMA総会には、連合会の中核的な一員として、積極的に参加しています。
また、韓国ビルヂング協会との情報交流など、アジア各国との連携も視野に入れています。
○地方協会との連携活動
現在、連合会は札幌、仙台、新潟、埼玉、千葉、東京、神奈川、名古屋、岐阜、富山、金沢、京都、大阪、兵庫、奈良、岡山、中国、四国、九州の19協会で構成されています。当協会は、その中核的な協会として、年2回開催されている全国事務局長会議に参加し、積極的に情報交換を行っています。
○関係団体との提携活動
不動産業は、業態によって数多くの団体があります。当協会では、法制度や税制度など主張が一致するものについて、関連友好団体とともに要望活動を展開していきます。また、日本経済団体連合会等の活動にも積極的に参画・協力していきます。